「夢の冬、アジアの愛 Dream of Winter, Love among Asia」 ― 2025年02月08日 18:39
【概要】
第9回アジア冬季競技大会の開会式が2月7日(金)夜、中国東北部の黒竜江省ハルビン市で盛大に開催された。習近平国家主席が式典に出席し、大会の開幕を宣言した。本大会は、北京冬季五輪、成都FISUワールドユニバーシティゲームズ、杭州アジア大会に続く、中国が近年開催する国際的なスポーツの祭典である。「夢の冬、アジアの愛」をスローガンに掲げ、34の国と地域から1,200人以上の選手が参加し、国・地域数、選手数ともにアジア冬季競技大会史上最多となった。大会は「エルビン」の愛称で親しまれるハルビンの街を活気に満ちた雰囲気で包み込んだ。
今大会では中国、日本、韓国が全競技に参加し、カンボジアとサウジアラビアが初めてアジア冬季競技大会に出場する。さらに、タイ(東南アジア)、レバノン(西アジア)などの国々も過去最大の選手団を派遣した。カーリングやアルペンスキーなどの競技では特に参加者が多く、競技種目は従来より31%増加し、大会の多様性と魅力が一層高まった。ハルビンでのアジア冬季競技大会は、中国の冬季スポーツの発展を示すと同時に、スポーツ、文化、外交を通じたアジアの友好と協力を促進する場となっている。
ハルビンの変貌とアジア冬季競技大会の進化
アジア冬季競技大会がハルビンで2度目、中国で3度目の開催となることは、中国の冬季スポーツの発展と成果を象徴している。1996年の第3回大会では、ハルビンは「氷の都市」として知られていたが、29年後の現在は「国際的な冬季スポーツの中心地」へと進化を遂げた。競技規模、競技場建設、社会的支援体制の充実など、多くの面で大きな変化が見られる。近年、インターネット上で「エルビン」とも呼ばれるハルビンは、文化、観光、ビジネスが融合する新たなランドマークとなり、アジア各国から多くの訪問者を引き寄せている。
現在、中国では氷雪スポーツ文化が広く普及している。休日には多くの人が東北地方や新疆ウイグル自治区のスキー場を訪れ、子ども向けの課外授業にもスケートレッスンが含まれるようになった。2030年までに中国の氷雪経済の総規模は1.5兆元(約30兆円)に達すると予測されており、この「氷雪ブーム」は人々の生活の質の向上だけでなく、アジアおよび世界と発展の機会を共有するものとなっている。近年、アジア全体で氷雪スポーツへの参加が広がり、たとえ雪の少ない国であっても高い関心を示している。アジア冬季競技大会は、こうした発展の流れを映し出し、アジア諸国の共通の発展目標と向上心を示す鏡ともなっている。
アジア冬季競技大会の意義と国際的影響
オリンピック評議会(OCA)のラジャ・ランディール・シン会長は、アジア冬季競技大会は単なる競技の場ではなく、アジア諸国間の交流の舞台でもあると述べた。北京冬季五輪から今回のハルビン大会に至るまで、技術革新、環境持続可能性、友好の精神が重視され、競技の枠を超えた広範な関心を集めている。多くのアジア諸国にとって、アジア冬季競技大会は単なる地域大会ではなく、技術、文化、人々の交流を深める重要な国際舞台となっている。中国の高品質な大会運営は世界的に評価されており、アジア冬季競技大会は各国が国際的影響力やソフトパワーを高める機会ともなっている。
習近平国家主席は開会式前日の歓迎宴で演説し、「平和と調和という共通の夢を守る」「アジアは世界の多様な文明が交わる場であり、包摂と共存を促進すべきだ」といった発言がアジア各国のメディアで広く引用された。開会式には多くの各国首脳が出席し、アジア冬季競技大会への支持を表明するとともに、中国の友好的な近隣外交を高く評価した。「エルビン」アジア冬季競技大会は、アジアの安定と統合発展に向けた強い推進力を提供する場となっている。
中国の氷雪スポーツと国際的な交流の未来
アジア冬季競技大会の聖火が灯されることで、競技場の輝きだけでなく、黒土地帯(東北地方)の活力と中国の現代化の歩みを示している。また、中国が世界のスポーツ界に貢献する知恵と力も映し出されている。ハルビンは、「中国らしさ、アジアらしさ、そして壮観さ」を兼ね備えたスポーツの祭典を実現すると確信される。各国のアスリートが大会で健闘し、優れた成果を上げることを期待する。
さらに、中国は最近、トランジットビザの最適化や一方的なビザ免除の拡大政策を進めており、「中国旅行」の認知度は海外でも高まっている。今回のハルビン大会も、氷雪スポーツを通じた文明間の相互理解を深める機会となり、**中国と世界の人々の友好を促進するもう一つの「共通の旅路」**となることが期待されている。
【詳細】
2025年2月8日、「Global Times」が掲載した社説によれば、第9回アジア冬季競技大会(Asian Winter Games)の開会式が2月7日(金)夜に中国・黒竜江省のハルビン(Harbin)で盛大に開催され、習近平国家主席が出席し、大会の開幕を宣言した。この大会は、北京冬季オリンピック、成都FISUワールドユニバーシティゲームズ、杭州アジア競技大会に続き、中国が近年開催した国際的なスポーツイベントの一つである。
「冬の夢、アジアの愛(Dream of Winter, Love among Asia)」をスローガンに掲げる今大会には、34の国と地域から1,200人以上の選手が参加し、過去最多の参加国・地域数と選手数を記録した。開催地であるハルビンは、インターネット上で親しみを込めて「エルビン(Erbin)」と呼ばれており、大会の開催によって活気に満ちた雰囲気に包まれている。
大会の特徴と参加国の状況
本大会では、中国、日本、韓国が全競技に出場するほか、カンボジアとサウジアラビアが初参加となる。さらに、東南アジアのタイや西アジアのレバノンなど、多くの国々が過去最大の代表団を派遣した。カーリングやアルペンスキーなどの競技では特に参加希望が多く、競技数は前回大会より31%増加し、大会の多様性と魅力が一層強化された。
アジア冬季競技大会のハルビン開催は今回で2回目、中国開催としては3回目となる。前回ハルビンで開催されたのは1996年(第3回大会)であり、29年ぶりの開催となる。この間、ハルビンは「氷の都市(Ice City)」から「国際的な冬季スポーツの中心地(International Winter Sports Capital)」へと成長を遂げた。競技規模の拡大、会場施設の充実、社会的な支援の向上など、都市の発展が顕著である。
また、ハルビンは観光やビジネスの融合により、新たな文化的ランドマークとなっており、アジア全域からの訪問者を引き寄せている。
中国国内の冬季スポーツの発展
近年、中国では冬季スポーツ文化が急速に普及し、多くの人々が休日に東北地方や新疆ウイグル自治区のスキーリゾートを訪れるようになった。また、子供向けの課外活動としてスケート教室が一般的になっている。2030年までに中国の「氷雪経済」は1.5兆元(約30兆円)規模に達する見込みであり、この「氷雪ブーム」は国民の生活の質を向上させるとともに、アジアおよび世界に新たな経済成長の機会を提供している。
アジア全体でも、冬季スポーツの人気は拡大しており、雪の少ない地域でも積極的な取り組みが見られる。アジア冬季競技大会を通じて、経済成長や人々の生活向上への期待が反映されていると指摘されている。
大会の国際的意義と中国の役割
アジアオリンピック評議会(OCA)のラジャ・ランディール・シン会長は、「アジア冬季競技大会は単なる競技の舞台にとどまらず、アジア諸国の交流の場でもある」と述べた。
北京冬季オリンピックからハルビン大会に至るまで、技術革新、環境持続可能性、友好精神が重要視されており、単なる競技大会以上の意味を持つ。特に中国の高品質な大会運営は国際的に評価されており、スポーツ、技術、文化、人的交流の場として大会の重要性が増している。多くの国々が、自国の影響力やソフトパワーを強化する機会としてこの大会を活用している。
習近平国家主席の演説と各国の反応
2月7日の開会式に先立ち、習近平国家主席は大会歓迎晩餐会で演説を行い、「平和と調和の共通の夢を堅持すること」や「アジアは世界の多様な文明の交差点であり、包摂と共存を促進すべきである」といった主張を展開した。この演説はアジア各国のメディアで広く報じられ、多くの国の指導者が開会式に出席したことが、中国の友好的な近隣外交への支持を示している。
また、「エルビン」アジア冬季競技大会は、地域の安定と統合的発展に貢献する重要な場ともなっている。
今後の展望
アジア冬季競技大会の聖火は、競技の場だけでなく、中国の近代化の足跡をも照らしている。黒竜江省の広大な大地の上で、中国の活力、開放性、包摂性を示す大会となることが期待される。
ハルビンは「中国らしさ、アジアらしさ、そして壮大さ」を兼ね備えたスポーツの祭典を世界に届けることになるだろう。また、中国はトランジットビザの緩和や一方的なビザ免除の拡大といった政策を進めており、「中国旅行(China Travel)」のブランド価値が海外で高まっている。
ハルビン大会は、氷と雪を媒介とした国際交流の架け橋となり、世界各国の人々との相互理解と友好関係を深化させる場となると期待されている。
【要点】
第9回アジア冬季競技大会(Asian Winter Games)ハルビン大会の概要
開会式と基本情報
・開会式日時:2025年2月7日(金)夜
・開催地:中国・黒竜江省ハルビン(29年ぶり2回目の開催)
・スローガン:「冬の夢、アジアの愛(Dream of Winter, Love among Asia)」
・主催:アジアオリンピック評議会(OCA)
・参加国・地域:34カ国・地域(過去最多)
・参加選手:1,200人以上(過去最多)
・競技数:前回大会比31%増
習近平国家主席の関与
・開会式に出席し、大会を宣言
・大会前日の晩餐会で演説
⇨ 「平和と調和の共通の夢の重要性」
⇨ 「アジアの多様な文明の交流と包摂を促進」
・参加国の特徴
・中国、日本、韓国:全競技に参加
・カンボジア、サウジアラビア:冬季競技大会に初参加
・東南アジア・西アジア諸国:代表団の規模を拡大(タイ、レバノンなど)
ハルビンの発展と大会の意義
・「氷の都市(Ice City)」→「国際的な冬季スポーツの中心地」へ成長
・都市観光・ビジネスの拠点化(訪問者増加)
・中国国内の冬季スポーツの急成長
⇨ 「氷雪経済」市場規模:2030年までに1.5兆元(約30兆円)規模に成長見込み
⇨ スキー・スケートが一般層に普及
国際的な影響と外交戦略
・中国の大会運営能力の国際評価向上
・スポーツを通じたアジア諸国の交流強化
・トランジットビザ緩和・ビザ免除拡大(観光促進)
今後の展望
・ハルビン大会が「国際交流の架け橋」に
・中国のスポーツ・文化・経済の影響力拡大
・アジアにおける冬季スポーツの発展加速
【引用・参照・底本】
Asia's unity, progress, passion seen at big party of 'Erbin' Asian Winter Games: Global Times editorial GT 2025.02.08
https://www.globaltimes.cn/page/202502/1328057.shtml
第9回アジア冬季競技大会の開会式が2月7日(金)夜、中国東北部の黒竜江省ハルビン市で盛大に開催された。習近平国家主席が式典に出席し、大会の開幕を宣言した。本大会は、北京冬季五輪、成都FISUワールドユニバーシティゲームズ、杭州アジア大会に続く、中国が近年開催する国際的なスポーツの祭典である。「夢の冬、アジアの愛」をスローガンに掲げ、34の国と地域から1,200人以上の選手が参加し、国・地域数、選手数ともにアジア冬季競技大会史上最多となった。大会は「エルビン」の愛称で親しまれるハルビンの街を活気に満ちた雰囲気で包み込んだ。
今大会では中国、日本、韓国が全競技に参加し、カンボジアとサウジアラビアが初めてアジア冬季競技大会に出場する。さらに、タイ(東南アジア)、レバノン(西アジア)などの国々も過去最大の選手団を派遣した。カーリングやアルペンスキーなどの競技では特に参加者が多く、競技種目は従来より31%増加し、大会の多様性と魅力が一層高まった。ハルビンでのアジア冬季競技大会は、中国の冬季スポーツの発展を示すと同時に、スポーツ、文化、外交を通じたアジアの友好と協力を促進する場となっている。
ハルビンの変貌とアジア冬季競技大会の進化
アジア冬季競技大会がハルビンで2度目、中国で3度目の開催となることは、中国の冬季スポーツの発展と成果を象徴している。1996年の第3回大会では、ハルビンは「氷の都市」として知られていたが、29年後の現在は「国際的な冬季スポーツの中心地」へと進化を遂げた。競技規模、競技場建設、社会的支援体制の充実など、多くの面で大きな変化が見られる。近年、インターネット上で「エルビン」とも呼ばれるハルビンは、文化、観光、ビジネスが融合する新たなランドマークとなり、アジア各国から多くの訪問者を引き寄せている。
現在、中国では氷雪スポーツ文化が広く普及している。休日には多くの人が東北地方や新疆ウイグル自治区のスキー場を訪れ、子ども向けの課外授業にもスケートレッスンが含まれるようになった。2030年までに中国の氷雪経済の総規模は1.5兆元(約30兆円)に達すると予測されており、この「氷雪ブーム」は人々の生活の質の向上だけでなく、アジアおよび世界と発展の機会を共有するものとなっている。近年、アジア全体で氷雪スポーツへの参加が広がり、たとえ雪の少ない国であっても高い関心を示している。アジア冬季競技大会は、こうした発展の流れを映し出し、アジア諸国の共通の発展目標と向上心を示す鏡ともなっている。
アジア冬季競技大会の意義と国際的影響
オリンピック評議会(OCA)のラジャ・ランディール・シン会長は、アジア冬季競技大会は単なる競技の場ではなく、アジア諸国間の交流の舞台でもあると述べた。北京冬季五輪から今回のハルビン大会に至るまで、技術革新、環境持続可能性、友好の精神が重視され、競技の枠を超えた広範な関心を集めている。多くのアジア諸国にとって、アジア冬季競技大会は単なる地域大会ではなく、技術、文化、人々の交流を深める重要な国際舞台となっている。中国の高品質な大会運営は世界的に評価されており、アジア冬季競技大会は各国が国際的影響力やソフトパワーを高める機会ともなっている。
習近平国家主席は開会式前日の歓迎宴で演説し、「平和と調和という共通の夢を守る」「アジアは世界の多様な文明が交わる場であり、包摂と共存を促進すべきだ」といった発言がアジア各国のメディアで広く引用された。開会式には多くの各国首脳が出席し、アジア冬季競技大会への支持を表明するとともに、中国の友好的な近隣外交を高く評価した。「エルビン」アジア冬季競技大会は、アジアの安定と統合発展に向けた強い推進力を提供する場となっている。
中国の氷雪スポーツと国際的な交流の未来
アジア冬季競技大会の聖火が灯されることで、競技場の輝きだけでなく、黒土地帯(東北地方)の活力と中国の現代化の歩みを示している。また、中国が世界のスポーツ界に貢献する知恵と力も映し出されている。ハルビンは、「中国らしさ、アジアらしさ、そして壮観さ」を兼ね備えたスポーツの祭典を実現すると確信される。各国のアスリートが大会で健闘し、優れた成果を上げることを期待する。
さらに、中国は最近、トランジットビザの最適化や一方的なビザ免除の拡大政策を進めており、「中国旅行」の認知度は海外でも高まっている。今回のハルビン大会も、氷雪スポーツを通じた文明間の相互理解を深める機会となり、**中国と世界の人々の友好を促進するもう一つの「共通の旅路」**となることが期待されている。
【詳細】
2025年2月8日、「Global Times」が掲載した社説によれば、第9回アジア冬季競技大会(Asian Winter Games)の開会式が2月7日(金)夜に中国・黒竜江省のハルビン(Harbin)で盛大に開催され、習近平国家主席が出席し、大会の開幕を宣言した。この大会は、北京冬季オリンピック、成都FISUワールドユニバーシティゲームズ、杭州アジア競技大会に続き、中国が近年開催した国際的なスポーツイベントの一つである。
「冬の夢、アジアの愛(Dream of Winter, Love among Asia)」をスローガンに掲げる今大会には、34の国と地域から1,200人以上の選手が参加し、過去最多の参加国・地域数と選手数を記録した。開催地であるハルビンは、インターネット上で親しみを込めて「エルビン(Erbin)」と呼ばれており、大会の開催によって活気に満ちた雰囲気に包まれている。
大会の特徴と参加国の状況
本大会では、中国、日本、韓国が全競技に出場するほか、カンボジアとサウジアラビアが初参加となる。さらに、東南アジアのタイや西アジアのレバノンなど、多くの国々が過去最大の代表団を派遣した。カーリングやアルペンスキーなどの競技では特に参加希望が多く、競技数は前回大会より31%増加し、大会の多様性と魅力が一層強化された。
アジア冬季競技大会のハルビン開催は今回で2回目、中国開催としては3回目となる。前回ハルビンで開催されたのは1996年(第3回大会)であり、29年ぶりの開催となる。この間、ハルビンは「氷の都市(Ice City)」から「国際的な冬季スポーツの中心地(International Winter Sports Capital)」へと成長を遂げた。競技規模の拡大、会場施設の充実、社会的な支援の向上など、都市の発展が顕著である。
また、ハルビンは観光やビジネスの融合により、新たな文化的ランドマークとなっており、アジア全域からの訪問者を引き寄せている。
中国国内の冬季スポーツの発展
近年、中国では冬季スポーツ文化が急速に普及し、多くの人々が休日に東北地方や新疆ウイグル自治区のスキーリゾートを訪れるようになった。また、子供向けの課外活動としてスケート教室が一般的になっている。2030年までに中国の「氷雪経済」は1.5兆元(約30兆円)規模に達する見込みであり、この「氷雪ブーム」は国民の生活の質を向上させるとともに、アジアおよび世界に新たな経済成長の機会を提供している。
アジア全体でも、冬季スポーツの人気は拡大しており、雪の少ない地域でも積極的な取り組みが見られる。アジア冬季競技大会を通じて、経済成長や人々の生活向上への期待が反映されていると指摘されている。
大会の国際的意義と中国の役割
アジアオリンピック評議会(OCA)のラジャ・ランディール・シン会長は、「アジア冬季競技大会は単なる競技の舞台にとどまらず、アジア諸国の交流の場でもある」と述べた。
北京冬季オリンピックからハルビン大会に至るまで、技術革新、環境持続可能性、友好精神が重要視されており、単なる競技大会以上の意味を持つ。特に中国の高品質な大会運営は国際的に評価されており、スポーツ、技術、文化、人的交流の場として大会の重要性が増している。多くの国々が、自国の影響力やソフトパワーを強化する機会としてこの大会を活用している。
習近平国家主席の演説と各国の反応
2月7日の開会式に先立ち、習近平国家主席は大会歓迎晩餐会で演説を行い、「平和と調和の共通の夢を堅持すること」や「アジアは世界の多様な文明の交差点であり、包摂と共存を促進すべきである」といった主張を展開した。この演説はアジア各国のメディアで広く報じられ、多くの国の指導者が開会式に出席したことが、中国の友好的な近隣外交への支持を示している。
また、「エルビン」アジア冬季競技大会は、地域の安定と統合的発展に貢献する重要な場ともなっている。
今後の展望
アジア冬季競技大会の聖火は、競技の場だけでなく、中国の近代化の足跡をも照らしている。黒竜江省の広大な大地の上で、中国の活力、開放性、包摂性を示す大会となることが期待される。
ハルビンは「中国らしさ、アジアらしさ、そして壮大さ」を兼ね備えたスポーツの祭典を世界に届けることになるだろう。また、中国はトランジットビザの緩和や一方的なビザ免除の拡大といった政策を進めており、「中国旅行(China Travel)」のブランド価値が海外で高まっている。
ハルビン大会は、氷と雪を媒介とした国際交流の架け橋となり、世界各国の人々との相互理解と友好関係を深化させる場となると期待されている。
【要点】
第9回アジア冬季競技大会(Asian Winter Games)ハルビン大会の概要
開会式と基本情報
・開会式日時:2025年2月7日(金)夜
・開催地:中国・黒竜江省ハルビン(29年ぶり2回目の開催)
・スローガン:「冬の夢、アジアの愛(Dream of Winter, Love among Asia)」
・主催:アジアオリンピック評議会(OCA)
・参加国・地域:34カ国・地域(過去最多)
・参加選手:1,200人以上(過去最多)
・競技数:前回大会比31%増
習近平国家主席の関与
・開会式に出席し、大会を宣言
・大会前日の晩餐会で演説
⇨ 「平和と調和の共通の夢の重要性」
⇨ 「アジアの多様な文明の交流と包摂を促進」
・参加国の特徴
・中国、日本、韓国:全競技に参加
・カンボジア、サウジアラビア:冬季競技大会に初参加
・東南アジア・西アジア諸国:代表団の規模を拡大(タイ、レバノンなど)
ハルビンの発展と大会の意義
・「氷の都市(Ice City)」→「国際的な冬季スポーツの中心地」へ成長
・都市観光・ビジネスの拠点化(訪問者増加)
・中国国内の冬季スポーツの急成長
⇨ 「氷雪経済」市場規模:2030年までに1.5兆元(約30兆円)規模に成長見込み
⇨ スキー・スケートが一般層に普及
国際的な影響と外交戦略
・中国の大会運営能力の国際評価向上
・スポーツを通じたアジア諸国の交流強化
・トランジットビザ緩和・ビザ免除拡大(観光促進)
今後の展望
・ハルビン大会が「国際交流の架け橋」に
・中国のスポーツ・文化・経済の影響力拡大
・アジアにおける冬季スポーツの発展加速
【引用・参照・底本】
Asia's unity, progress, passion seen at big party of 'Erbin' Asian Winter Games: Global Times editorial GT 2025.02.08
https://www.globaltimes.cn/page/202502/1328057.shtml