中国は多国間体制の柱として、南半球の正義のために声を上げる2025年03月07日 19:04

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【概要】 

 中国の王毅外相は、3月7日に北京で行われた中国の外交政策と対外関係に関する会議において、国連の役割と権威が弱体化しているとの意見に対し、次のように述べた。王外相は、問題が複雑化するほど、国連の重要な地位を強調し、課題が切迫するほど、国連の正当な権限を守る必要があると強調した。

 王外相は、世界がジャングルの法則に戻らないようにするためには、主権平等の礎を固め、公正と正義の原則を守り、多国間主義を重視し、国際法の権威を強化することが必要であると述べた。中国は多国間体制の柱として登場し、南半球の正義のために声を上げるとした。

 今年は国連創設80周年の年であり、第二次世界大戦終結時に行われた最も重要な決定の一つは国連の設立であり、これにより世界平和を維持し、グローバルガバナンスを促進するための主要なプラットフォームが作られたと王外相は指摘した。国連はその後、試練に耐え、重要な役割を果たしてきたことが証明されていると述べた。

 現在、状況は劇的に変化しており、一方的な行動が増加し、権力政治が横行している。いくつかの国々は国連に対して疑問を呈している。しかし、中国は問題が複雑化するほど国連の重要な地位を強調し、課題が切迫するほど国連の正当な権限を守るべきだと考えていると強調した。

 すべての国々は世界がジャングルの法則に戻ることを防ぎたいと考えている。そのためには、まず主権平等の基盤を固め、国の大小や強さに関係なく、すべての国が国際社会の平等なメンバーであることを認めなければならないと王外相は述べ、強さや力だけで物事を決めることは許されないと強調した。

 次に、公正と正義の原則を守り、いくつかの国々が国際問題を独占することに反対し、グローバルサウスの声をより多く反映させ、すべての国々の正当な権利と利益を完全に保護すべきだと述べた。

 また、多国間主義の概念を堅持し、協議・共同構築・共有利益の原則に基づき、グループ対立を包括的協力に置き換え、小さなサークルを「大団結」で打破すべきだと王外相は述べた。

 さらに、国際法の権威を強化すべきだとし、大国は特に模範を示し、誠実を守り、法の支配を支持し、ダブルスタンダードや選択的な適用に反対し、他国をいじめたり不公平な手法を取ったりすべきではないと強調した。

 中国は第二次世界大戦後の国際秩序の創設者であり受益者であり、またこの秩序の維持者であり建設者でもある。中国は新たに始めるつもりはなく、システムを覆そうとする国を支持することもないと王外相は述べた。

 国連安全保障理事会の常任理事国として、中国はその国際的責任を自覚しており、国連の中心的役割を守り、多国間システムの礎となり、グローバルサウスの強力な擁護者として行動すると述べた。

 先月、中国は国連安全保障理事会で「多国間主義の実践、グローバルガバナンスの改革と改善」というテーマで高レベル会議を主宰した。この会議には100以上の国々が積極的に参加し、国連創設80周年を記念する活動の始まりを示した。

 中国はすべての関係者と共に国連の創設原則を再確認し、国連憲章の目的と原則を堅持し、より公正で合理的なグローバルガバナンスシステムを構築する意向を示した。

【詳細】 

 中国の王毅外相は、2025年3月7日に北京で行われた「中国の外交政策と対外関係に関する会議」において、国連の役割と国際秩序に関する重要な発言を行った。以下はその内容の詳細な説明である。

 国連の重要性とその地位の強化

 王毅外相は、現在の国際秩序が第二次世界大戦以来最も危機的な瞬間を迎えているという懸念に対して、国連の重要な地位を再確認する必要があると述べた。彼は、問題が複雑化するほど、国連の重要な役割を強調し、課題がますます差し迫る中で、国連の権限を守ることが不可欠であると指摘した。この発言は、現在の国際社会で一国主義(ユニラテラリズム)や権力政治が増大している状況に対して、国連がその正当性と権威を強化すべきだという立場を表している。

 特に、王外相は「ジャングルの法則」に戻らないために、主権平等、公正、正義の原則、多国間主義を守る必要性を強調した。これらの原則を守ることによって、国際的な秩序が崩壊するのを防ぎ、すべての国が平等な立場で国際社会において活動できる環境を維持することが重要であるとした。

 中国の立場と国際社会での役割

 中国は、国連創設80周年の節目にあたり、自国がこの秩序の創設者であり受益者であると同時に、秩序の維持者であり建設者でもあることを再確認した。王外相は、中国は既存の国際秩序を根本的に覆す意図はなく、その維持と改善に貢献するつもりであることを強調した。さらに、中国は国連安全保障理事会の常任理事国としての責任を自覚しており、その役割を果たし続けると述べた。

 具体的には、王外相は中国が多国間体制の柱となり、グローバルサウス(発展途上国)に対する正義を擁護すると表明した。これは、特に発展途上国が国際問題で公平に取り扱われるようにするため、国際社会で声を上げていくという意思を示すものである。

 主権平等と公正の原則

 王外相は、国際社会における国の平等性を強調し、国の規模や力に関係なく、すべての国が平等な立場で国際社会に参加すべきであると述べた。特に、力によって一方的に決定を下すことがあってはならないという点を強調した。これにより、大国や強国が国際的な決定において他国に対して圧力をかけたり、支配的な立場に立ったりすることに対する反対の立場を明確にした。

 多国間主義と協力の重要性

 王外相は、多国間主義を維持することの重要性を再確認し、協議、共同構築、共有利益の原則に基づいた国際協力を推進すべきだと述べた。彼は、少数の国々によるグループ対立を乗り越え、「大団結」を目指すべきだと提案した。この「大団結」という表現は、国際社会が小さな閉じたグループに分かれるのではなく、より広範な協力関係を築くことを意味している。

 また、多国間主義を進めるためには、国際法の権威を強化する必要があると強調した。特に、大国はその立場を利用して、不正な行為を避け、法の支配を支持すべきだと述べ、ダブルスタンダード(二重基準)や選択的な適用に反対する立場を取るべきだと強調した。

 中国の国際責任と未来の展望

 中国は、国連創設80周年を迎えるにあたり、その立場を一層明確にした。王外相は、国連創設当初の目的と原則を再確認し、それを守りながら、より公正で合理的なグローバルガバナンスのシステムを構築することを目指すべきだと述べた。具体的には、先月、中国が国連安全保障理事会で開催した高レベル会議において、「多国間主義の実践」と「グローバルガバナンスの改革」をテーマに、100以上の国々が積極的に参加したことを挙げ、これが80周年を祝う活動の一環であることを強調した。

 まとめ

 王毅外相の発言は、中国が現在の国際秩序を維持し、より公正で平等な国際関係を築くために積極的な役割を果たす意向を明確に示したものである。特に、主権平等、公正、正義、多国間主義を基盤にした国際秩序を推進し、国連の役割を強化することで、世界が「ジャングルの法則」に戻ることを防ぐという立場を強調した。

【要点】

 ・国連の重要性の強調

 王毅外相は、国際秩序が危機的な状況にあるとする懸念に対し、問題が複雑化するほど国連の重要性を強調すべきだと述べた。特に、国連の権限を守り、国際秩序の崩壊を防ぐ必要性を指摘した。

 ・主権平等の確立

 王外相は、すべての国が規模や力に関係なく平等であるべきだと強調。力を背景に一方的に決定を下すことへの反対の立場を表明。

 ・公正と正義の原則の擁護

 一部の国による国際問題の独占を反対し、グローバルサウス(発展途上国)の声がより多く反映されるべきだと述べた。

 ・多国間主義の推進

 王外相は、多国間主義を維持し、国際社会が協議、共同構築、共有利益の原則に基づいて協力すべきだと提案。閉鎖的なグループ対立ではなく、広範な協力を目指すべきだと述べた。

 ・国際法の強化

 国際法の権威を強化し、大国は法の支配を支持し、ダブルスタンダード(二重基準)や選択的適用に反対する立場を取るべきだと強調した。

 ・中国の役割と国際責任

 中国は、国連創設80周年を迎え、既存の国際秩序を維持・改善する立場を強調。国連の創設当初の目的と原則を守り、より公正で合理的なグローバルガバナンスの構築を目指す。

 ・中国のリーダーシップ

 中国は、国連安全保障理事会で「多国間主義の実践」と「グローバルガバナンスの改革」に関する高レベル会議を主催し、100以上の国々が参加したことを紹介。

【引用・参照・底本】

Chinese FM responds to Global Times question: no country should dictate solely due to strength or power; monopoly of intl affairs by a few countries opposed GT 2025.03.07
https://www.globaltimes.cn/page/202503/1329679.shtml

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