「人類は最も暗澹たる時期にある」2025年04月06日 15:45

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【概要】

 アントニオ・グテーレス国連事務総長は、パレスチナ・ガザにおける即時停戦を求める声明を発表した。グテーレス氏は、2025年4月2日、ガザでの即時停戦の復活、人質の無条件釈放、そしてガザ全域での支障ない人道支援へのアクセスを改めて求めた。特に、過去2日間にわたるイスラエル軍の大規模な空爆と地上作戦の結果、ガザ南部ラファから10万人以上のパレスチナ人難民が生じ、これらの人々は複数回避難を強いられ、わずかな家財道具のみを持っていることを指摘した。

 グテーレス事務総長は、イスラエル軍による医療・救急隊への攻撃を批判した。2023年10月23日には、ガザ地区で医療・援助活動に従事していた15人の職員が死亡し、そのうち多くは国連職員であった。これに関連して、2023年10月以来、ガザ地区で少なくとも408人の支援活動従事者が殺害され、そのうち280人が国連職員であることも報告された。

 さらに、イラン外務省のバガーイー報道官は、国連人権理事会の食料権に関する報告者が発表した報告書に触れ、兵糧攻め政策の停止をイスラエルに求めるとともに、英国、カナダ、ドイツ、フランスなどの西側諸国がガザでの重大な人権侵害に対して無策であることに遺憾の意を表明した。バガーイー報道官はこれらの国々が人権や法の支配に対する誠実さを欠いていると指摘した。

 また、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のフィリップ・ラザリーニ事務局長は、ガザ地区で3週間にわたって人道支援物資が届いていないことを明らかにし、人類が最も暗澹たる時期にあると強調した。

 イスラエルは2023年10月7日からガザ地区に対して戦争を開始し、この戦争によって5万人以上の死者と数万人の負傷者が出ている。

【詳細】

 アントニオ・グテーレス国連事務総長は、2025年4月2日に声明を発表し、ガザにおける即時停戦の実現を強く求めた。彼は、イスラエル軍による空爆と地上作戦が続いている中で、ガザ南部ラファから逃げる10万人以上のパレスチナ人難民が発生し、その多くが避難を余儀なくされていると指摘した。避難民は、複数回にわたり家を失い、わずかな家財道具のみを持って難民キャンプに移動している状況であると述べた。これにより、ガザ地区における人道的危機がさらに悪化していると警告している。

 また、グテーレス氏は、ガザでの支援活動を行っていた国連職員が殺害されたことを批判した。特に、2023年10月23日には、イスラエル軍による医療・救急隊への攻撃が行われ、15人の支援活動従事者が命を落とした。この攻撃を受け、ガザ地区では支援活動が制限され、医療や救援物資が不足する事態が続いている。グテーレス事務総長は、このような攻撃が人道的支援活動の実施に深刻な障害を与えていると強調し、支援従事者への攻撃の停止を求めた。

 グテーレス氏はさらに、2023年10月以降、少なくとも408人の支援活動従事者がガザ地区で命を落とし、そのうち280人が国連職員であったことを伝えた。国連職員がこれほど多く犠牲となる事態は、ガザでの人道的危機がいかに深刻かを示している。

 イラン外務省の報道官バガーイー氏は、3日に発表した声明で、イスラエルによる兵糧攻め政策を非難し、これを停止するよう強く求めた。兵糧攻めとは、住民に食料や生活必需品を供給しないことで、その地域を圧迫し、戦争の手段として使用するものだ。バガーイー報道官は、このような行為が大量虐殺に等しいとし、国際社会に対して即時の対応を促した。さらに、ガザでの人道的危機に対する西側諸国の無策を厳しく批判した。特に、英国、カナダ、ドイツ、フランスなどが人権を擁護していると主張しながら、ガザで起こっている人権侵害に対して無策であることを指摘した。バガーイー氏は、これらの国々が人権や法の支配を守る誠実さに欠けていると述べた。

 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のフィリップ・ラザリーニ事務局長は、4月28日、ガザ地区への人道支援物資が3週間にわたり届いていない状況を発表した。この事実は、ガザ地区での人道的危機の深刻さをさらに浮き彫りにし、支援物資の不足が命に関わる問題であることを強調した。ラザリーニ氏は、世界が今、最も暗澹たる時期を迎えていると警告し、国際社会の即時の介入と支援が必要であると訴えた。

 また、イスラエルは2023年10月7日、ガザ地区に対して大規模な軍事作戦を開始した。この戦争は、最初の衝突から数ヶ月を経て、5万人以上の死者を出し、数万人が負傷していると報告されている。この戦争は、ガザ地区における都市の破壊、民間人の犠牲者、インフラの崩壊を引き起こし、地域の安定をさらに悪化させている。

 このような状況に対し、国際社会、特に人権を擁護する立場を取る国々に対して、ガザ地区における即時の停戦と人道的支援のアクセス確保が求められている。国連事務総長やイラン、国連機関は、現地の人道支援活動の再開と支援物資の供給を強く呼びかけている。
  
【要点】 

 1.アントニオ・グテーレス国連事務総長の声明(2025年4月2日):

 ・ガザ地区での即時停戦、無条件の人質釈放、支障ない人道支援へのアクセス確保を求めた。

 ・イスラエル軍による空爆と地上作戦の結果、ガザ南部ラファから10万人以上のパレスチナ人難民が発生。

 ・これらの難民は複数回避難を余儀なくされ、わずかな家財道具のみを持っている。

 2.支援活動従事者への攻撃:

 ・2023年10月23日、イスラエル軍の攻撃で医療・救急隊に従事していた15人が死亡。

 ・2023年10月以降、ガザ地区で支援活動従事者408人が死亡、そのうち280人が国連職員。

 3.イラン外務省の発言(2025年4月3日)

 ・兵糧攻め政策の停止をイスラエルに求める。

 ・西側諸国(英国、カナダ、ドイツ、フランス)がガザでの人権侵害に対して無策であることを批判。

 ・西側諸国の誠実さの欠如を指摘。

 4.国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の声明

 ・ガザ地区で3週間にわたり人道支援物資が届いていないことを発表。

 ・「人類は最も暗澹たる時期にある」と強調。

 5.イスラエルの軍事作戦

 ・2023年10月7日、イスラエルはガザ地区に対して大規模な軍事作戦を開始。

 ・これまでに5万人以上が死亡、数万人が負傷。

 6.国際社会への呼びかけ

 ・国際社会は即時停戦と人道的支援の提供を求められている。

【引用・参照・底本】

大量虐殺手段としての兵糧攻めから英仏独の欺瞞まで:国連事務総長がイスラエルの難民化政策に抗議 ParsToday 2025.04.05
https://parstoday.ir/ja/news/world-i127430-%E5%A4%A7%E9%87%8F%E8%99%90%E6%AE%BA%E6%89%8B%E6%AE%B5%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%AE%E5%85%B5%E7%B3%A7%E6%94%BB%E3%82%81%E3%81%8B%E3%82%89%E8%8B%B1%E4%BB%8F%E7%8B%AC%E3%81%AE%E6%AC%BA%E7%9E%9E%E3%81%BE%E3%81%A7_%E5%9B%BD%E9%80%A3%E4%BA%8B%E5%8B%99%E7%B7%8F%E9%95%B7%E3%81%8C%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%81%AE%E9%9B%A3%E6%B0%91%E5%8C%96%E6%94%BF%E7%AD%96%E3%81%AB%E6%8A%97%E8%AD%B0

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